お隣の国、韓国では出生率が1.0を切り世界最低水準にまで落ち込んだそうです。
出生率とはひとりの女性が一生の間に生む子供の平均人数を表した率。
いま分かっている数字では韓国が0.98、そして日本が1.43です。
日本の出生率でも夫婦ふたりから子供が1.43人しか生まれないと少子化が問題になっているが、韓国の数字からは日本以上に急速に少子化と高齢化が進むことが見えます。
なぜ少子化が問題なのでしょうか?
それは経済活力が低下してしまうからです。
国の次代を担う若者が減少することで社会が縮小してしまう、社会全体の活力が失われることが少子化の問題なのです。
日本でも少子化と人口減少で人出不足が露見したので、いま社会が変わろうとしています。
これにプラスして年金制度も維持が難しくなってきています。
いろんなことが変わらないと世の中が回らない社会になったということです。
韓国ではなぜここまで出生率が低下したのでしょうか?
ひとつ言えるのは、韓国が子供を産んで育てるのが難しい社会になってしまっているということ。
原因の1つは若者の失業率の高さ。
2018年に行われた15歳から29歳の調査では失業率が9.5%
日本はアベノミクスによる好景気に支えられて失業率が2.4%しかありません。
比較すれば韓国の若い人の失業率の高さが分かります。
国によって事情は違うかもしれませんが韓国では経済力の問題から結婚しない人が増えているのだと思います。
韓国の未婚率もデータがありました。
20歳から44歳までの年齢で男性の未婚率が58%
そして女性の未婚率が48%です。
男性は6割近くが未婚!?です。
逆に結婚している人が珍しく感じられるような数字、これでは出生率は上がるはずがありません。
さらに結婚している夫婦でも子供の教育費用負担が重くて出産をためらうご夫婦が多いことも出生率が低くなる原因のようです。
韓国は何も対策をしていないわけではありません。
出生率を上げるために2016年から2018年の3年間で約11兆円のお金をつぎ込んでいます。
出産と養育費の支援、幼児医療費の無償化、育児休暇時の給与引き上げなど、色んな対策が取られているようです。
それでも数値は下がっていることから、急速に回復することは見込めないと考えます。
少子化にストップがかからないことから、経済活動が低下することを恐れた韓国では移民受け入れや規制緩和などの政策転換が迫られているそうです。
日本も韓国と数字は違いますが、抱えている問題は同じです。
日本でも非正規雇用の増加で適齢期の男女が結婚しなくなりました。
低賃金で経済力の問題があること、貧困化が進んできていること、日本の少子化も韓国と根本は同じだと私からは見えます。
少子化を防ぐには、子供を産みたい/育てたいという将来の楽しさや希望が持てることが大切です。
以前に堺屋太一さんが言われていたことばです。
子供を増やし出生率を上げる対策、それは『世の中をもっと楽しくすること』。
若い人が世の中を楽しいと感じられていまより楽しく過ごせるなら、不安がゼロにはならないかもしれませんが、出生率は上がってくるのではないでしょうか。
お金をばらまくとかそんなことではなく『世の中が楽しくなる工夫』、少子化にはそんな対応を期待したいですね。