放火による犠牲者の志をついで制作が継続されたアニメ映画。
制作会社「京アニ」の放火事件に、そしてコロナウイルスによる公開延期と、幾多の苦難に見舞われながらもその困難を乗り越えて公開されたアニメ映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。
この映画は制作側だけではなく、視聴者側にも特別な思いを持って観た人が多いのではないでしょうか。
わたしもそのひとりかもしれません。
このアニメが京アニの作品と知って、「映画を完成してくれてありがとう」「今後もすばらしい作品を作り続けて!」と言うエールを贈りたい気持ちを持って鑑賞しました。
今でもアニメは大好きです。
でもテレビでアニメを観なくなってどれくらいでしょう?
映画以外はまったくアニメを観なくなりました。
原因は細切れにしたストーリーを3ヶ月掛けて観るのが辛いからと自己分析しています。
若い頃はもっとアニメに夢中になっていたのにね。これって年齢のせいかもしれません。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」も以前にテレビアニメで制作されていたようです。
でもTVシリーズを観ていないので公開された映画は2日前にネットで予告編を観て知りました。
でもね、その予告編との出会いが運命になったのです。
予告編を観て不覚なことに涙が出たんです。
本編を観ずに予告編で涙が出るなんて初めてかもしれません。
涙が出たその瞬間に、私の本能が「こりゃ観るしかない」と訴えかけてきたのです。
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』本予告第2弾 2020年9月18日(金)公開
この作品のテーマは”純”でないかというくらい、とってもピュアな作品です。
主人公のヴァイオレットはどこまでもピュアですし、ヴァイオレットを取り巻く周りの人だって、とっても熱くハートフルな人ばかり。
「どこにも悪人は存在しない映画」ですね。
”純”を貫くストーリーだからこそ、観客の目から涙がこぼれる作品になったと思います。
もうすっかり”おじさん”になった私のはヴァイオレットの”一途な心”は眩しすぎたかもしれません。
「世の中こんなにうまくいくもんじゃない。」と思ったり。
戦争から何年もたっているのに少佐が独り身だったのは奇跡!
なんて思ったりもしました。
でも良いじゃないですか。
ヴァイオレットに「純愛」を感じて、そして彼女がしあわせを掴んだことに共に喜んで、涙することが出来たのですから。
『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は見た感じ、観覧者は6:4で女性が多かったかもしれません。
でもおじさんにこそ観てもらいたい。
リアルではありえないピュアな物語に感動出来る、それが『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』です。