心がほんわかとするお話でした。
それはある日のこと、テレビを観ていた嫁が突然に言ったのです。
『漁港の肉子ちゃん』が観たいと、普段はアニメを観ないのにです。
「漁港の肉子ちゃん」は嫁から教えてもらって知った映画です。
どうもよしもとが作ったアニメ作品で、明石家さんまさんがプロデュースしたことで話題になったようです。
キャストにも大竹しのぶさんを使うなど、話題性があるせいかアニメを観ない嫁にも、観たいという気持ちが沸き上がったみたいです。
本当は、キャストに有名俳優を使うアニメはちょっと避けたいと思っていました。
と言うのも、私の持論ですが有名俳優を使うアニメはつまらない作品が多いからです。
これは想像ですが、有名俳優さんは声優さんよりギャラが高いため、限られた制作費の中でアニメ作品を作るとなると、他の部分にかかる費用を押さえないといけなくなる。
このために作品がつまらなくなっている。とは思うのです。
わたしが肉子ちゃんを観たのは公開から2週間たった上映でした。
ですが2週間経過してるとはいえ、上映本数がとても少ないことが気になります。
その日は1本だけしか上映していませんでした。
でもねこの映画、けっして不人気映画ではないのです。
だって、肉子ちゃんを上映していたのは小さめのスクリーンでしたが、多くの人が観ていましたから。
ファミリーにカップル、夫婦に女性同士と、たくさんの人が観ていました。
そりゃ複数のスクリーンで上映する作品の方が動員数は多くなるのは分かります。
でも映画に対する思いとか密度であれば、この映画のほうがずっとすごいと思います。
それには届きませんが、エヴァンゲリオンを観たとき以上の集客度です。
これだけ人を集めるのはすごい、不人気であるはずがありません。
映画を観ても、派手さを感じない映画でした。
でもね、憎めない肉子ちゃん、とっても愛情深い肉子ちゃんにほろっとしてしまう。
「普通が一番!」と言い切る肉子ちゃんに思わず「しあわせになりや!」と声かをかけたくなる映画です。
基本にお話は、肉子ちゃんの子どもであるキクコを通しての視線で話が進みます。
クラス女子の対立があったり、気になる男の子に秘密の場所を教えてもらったりとか。
まだ”アオハル”とも言えないキクコの日々の出来事を通して、肉子ちゃんを観ています。
そしてそして、肉子ちゃんとキクコの秘密が絡んで物語は終盤へと進む…そんな感じです。
中年オヤジは涙もろいのでかないません。
今回も映画を観て泣きました。
でもね私だけじゃないのです、
近くの席のおんなの子、小学生でしょうか?、彼女も感情豊かに泣いていたのです。
小学生と同じやん…、これって喜ばしいことですよね?
思いや捉えかたは違うかもしれないですが、根本はその娘と一緒だと思いたい…
私にはまだまだ少年のこころがあると、ちょっとうれしくなった瞬間でした。