あぁ「借りパク」事件。懐かしく思い出してみた。
人に何かを頼まれた時に「嫌や」と断ることは難しいですよね。
断りづらいことこの上ないですし断ることが悪のように感じられて、こっちが悪いみたいに「ゴメン」と云ってしまいそうになります。
人生まだまだ経験していない10代や20代の方々は、場合によっては断りきれずに相手のお願いを聞いたりしているのではないでしょうか?
それはわたしが中学生の時、まだピュアな心しか持っていなかった時の話です。
当時は中学3年生、転校したてだった私は当然ながらクラスで仲間と言える人はいませんでした。席替えして班を決めるときにもクラスでひとり浮いていたと思います。
そんな浮いてる私にも気さくに声を掛けて誘ってくれるグループがありました。
当時は嬉しくてすぐに仲良くなったと思います。
仲良くなると、学校だけでなくて学校帰りにメンバーの家に遊びに行ったりして、結構交流を深めていたと思います。
そんなある日、当時の友人メンバーが我が家に遊びにきたのです。
今考えたら、あの時のメンバーが我が家に来たのはあの時の1回だけ。
特に何もない平凡な我が家で何して遊んだのか?今では記憶にありません。
そして夕方。メンバーが帰るときにメンバーのひとり”K君”が『マンガを貸して!』と云ってきたのでした。
その時、私は貸すのが嫌でした。
でも相手のK君はひつこくて、『すぐに返すやん』とか『今度俺の持っているマンガ◯◯を貸すから』とか云ってたような気がします。
最後には私が折れて、完結シリーズものを何冊も貸した記憶があります。
たしか紙袋に入れて持って帰ったので、20冊前後は貸したかもしれません。
でもね、そのグループとはその後につき合いが薄くなっていったのです。
その後に互いの家に行くことは無い状態になりました。
貸した本は当然返して欲しいので、学校では何度も何度もお願いしました。
「マンガ返せよ!」と週イチくらいで云ってたかもしれません。
でも次第に学校でのK君とのつき合いも減っていき、このままではまずくてマンガを返してもらえないかも…と思った私は、「きょうの夜、お前の家にマンガ取りに行くぞ」っとK君に言っていたのでした。
私は結構思いつめて云ったのですが、K君の答えは『今日の夜は家におらんねん』でした。
その後からK君から『ゴメンな』という言葉ももらえたので、K君は絶対に返さないというつもりではなかったのかもしれません。
でもね、結局はK君に貸した本を「借りパク」されたのです。
貸したマンガ本が私の手元に二度と帰ってくることはありませんでした。
私が中学時代に経験した「借りパク」事件は、絶対に忘れられない思い出になっています。
この後、高校生の時にはどんなに仲良くなって子とも、信頼関係が持てるまでは物を貸すことが出来なくなりました。
おとなになっても変わらないかもしれません。
でもおとなになるほどに、人に物を貸すとか「貸して」とか、そういうことが少なくなってきているとは思います。
「借りパク」事件、それはまだ私が前しか見れていなかった中学時代の思い出です。